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物質の変化 1 物理変化と化学変化のちがい |
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[1]
物理変化とは 物質の性質は変化せずに、力や温度の影響で 形だけが変化することをいいます。 したがって 見た目 気体が固体になったり、液体が固体
になったり、また 液体が気体になったりなどと、その形は 大きく変化しますが、物質としての性質や分子式は同じといえる範囲内での 変化なのです。 [2] 化学変化とは 性質そのものが 変化して 別の物質になることをいいます。つまり 物質の分子の構成が変わったいえます。 例 鉄を空気中にさらすと 錆びる アルコールを燃やすと、水と二酸化炭素が発生した。 |
2 主な化学変化 |
[化合と分解]
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化学反応 1 化学式と化学反応式 |
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[1] 化学式 元素記号を組み合わせて物質の構造を表わしたものを化学式といいます。 [2]化学反応式 化学式を用いて化学変化を表わした式を化学反応式といい、次のように 左右の同一種類原子ごとの総数が等しくなるように係数を定めます。 例 2H2 + O2 → 2H2O 係数 2 1 2 |
質量 2×(1×2)g 16×2g 2×(1×2+16)g |
物質量 2モル 1モル 2モル |
2 反応熱 |
1 一般的化学反応には 熱の発生や吸収をともないますが、その熱量を反応熱といいます。 2 熱の発生をともなう化学反応を発熱反応といい、熱を吸収する反応を吸熱反応といいます。 反応熱の種類 1 燃焼熱 物質が完全燃焼するときに発生する熱量 2 生成熱 単体から化合物が生成されるときに発生するか、吸収される熱量 3 分解熱 生成熱とは逆に ある物質から分解して パーツの物質に変化するときの熱量 4 中和熱 酸と塩基が中和するときに発生する熱量 5 溶解熱 物質を溶媒に溶かすときの熱量 |
3 熱化学方程式 |
化学反応式に反応熱を記し、両辺を等号で結んだ式を熱化学方程式といいます。 |
酸化還元とイオン化傾向 1 酸化と還元 |
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1<酸化> 物質が酸素と化合するか、または 水素を失う反応を酸化といいます。 例 炭素(C)が燃えて 二酸化炭素(CO2)になる反応C + O2 → CO2 (炭素からみると、酸素原子が結合したので、酸化されたといいます) 一酸化炭素(CO)が燃えて二酸化炭素となる CO + 1/2O2 → CO2 一酸化炭素が酸素と結合して、二酸化炭素となるのも、炭素にとっては酸化であるし、この反応全体を見ても 酸化反応といえます。 |
<2 還元> 酸化とは反対に 酸化物が酸素を失う、または水素と化合する反応を還元といいます。 例 酸化第二銅 (CuO)が水素で還元されて銅(Cu)になる。 CuO + H2 → Cu + H2O 1 CuOが 酸素を失って、銅と水になる 2 CuO が水素と化合して 銅と水になる。 (視点を変えただけで同じこと) 酸化銅からみれば(のうち銅) 酸素を奪われる方向の反応が 還元となります。 |
※ 1つの反応の中では 必ず、酸化と還元は同時に起こります。ある元素を中心として見るとそれは 酸化であっても、別の元素を中心にしてみると 還元であることになります。 上の 酸化銅の還元の場合には 銅にとっては 還元であっても、 水素原子からみると それは 酸素が化合するので、酸化となります。 |
2 酸化剤と還元剤 |
他の物質を酸化する物質を 酸化剤 といい、 逆に 還元する物質を 還元剤といいます。 1の炭素の酸化の例では 酸素O2が酸化剤で 2の酸化銅の還元の反応の例では、水素H2が還元剤となります。 |
3 金属のイオン化傾向 |
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水溶液中において、金属が陽イオンになる性質をイオン化傾向といいその性質をもつ元素をその性質の強さ順に並べたものをイオン化傾向といいます。 そのイオン化列は次のようになります。比較対象にされる元素は 溶けた場合陽イオンになる金属元素です。右ほど 陽イオンになりにくいので、錆びたり、酸に侵されにくい金属といえます。 その最たるものが、銀や白金、金などです。 K>Ca>Na>Mg>Al>Zn>Fe>Ni>Sn>Pb>(H)>Cu>Hg>Ag>Pt>Au 「覚え方」貸そうかな ま あ あて に す な ひ ど す ぎ る 借金 カ カァ ナァ マ ア ア テ ニ ス ナ ヒ(H) ド ス ギ ル ハッ キン 左の元素ほど 塩酸などの酸に溶けやすかったり、水溶液になってイオンになる傾向が強いといえます。 また H は水素で 金属イオンではありませんが、 水素は水素イオンという陽イオンになりやすいので 比較の対象として イオン化列に掲載されます。ちなみに、(H)より右であると 塩酸などの酸に侵され にくいといえ (H)より左のなればなるほど、酸はもちろん水に溶けやすいものが多くなります。金属元素が溶けるということは 陽イオンに変化するという ことにほかなりません。(加熱してドロドロにする場合を除く) |
※
また 鉄などの建築素材などが 雨などで劣化したり 錆びるのを防ぐため 鉄の表面に亜鉛Znをメッキした「トタン板」 鉄の表面に スズSnをメッキ
した「ブリキ」という素材があります。亜鉛がメッキされている場合、イオン化傾向の大きい亜鉛が鉄が錆びたり、とける前に溶けるので本体の鉄の腐食が遅れ
るのです。 また 缶詰に用いられているトタン(鉄の表面をスズでメッキ)は 鉄よりもイオン化傾向の小さいスズは 鉄よりも腐食されにくく、鉄を表面を
さらに強くコーティングしているようなものです。さらに、傷がついて 缶詰の容器液に 鉄とスズが同時にさらされた場合、イオン化傾向の大きい鉄の方が
優先的に食品中に溶け出すので、人体にも安全性が高いといえます。 |
● このように イオン化傾向の異なる金属元素の複数が陽イオンになったり腐食するとき、よりイオン化傾向の大きい物が優先的に溶け出す代わりに、イオン化傾向の小さい金属の陽イオン化 腐食化、水溶化は 抑えられるといえます。 |
酸と塩基 |
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1 酸 酸とは 水溶液中で 電離(分子中のブラス部分とマイナス部分に分かれて浮遊すること)して水素イオンH+を出すものをいいます。 塩化水素(塩酸)の場合 HCl → H+ + Cl- (塩酸が 水に溶けて電離し、水素イオンと塩素イオンに分かれます) [1] 水溶液は酸性を示し、青色リトマス試験紙を赤色に変えます [2] 酸と金属が反応すると(一部例外あり)水素を発生しながら、金属は溶けていきます。 |
2 塩基 塩基とは、水溶液の中で電離して 水酸化物イオン OH- をだすものをいいます。 例 水酸化ナトリウムの場合 NaOH → Na+ + OH- (水酸化ナトリウムが 水に溶けて ナトリウムイオンと 水酸化物イオンを生じる) ※ 塩基の存在する水溶液は アルカリ性をしめし 赤色のリトマス試験紙を青に変えます。 |
3 中和 酸と塩基を混合すると、互いの性質を打ち消しあい、中性の塩と水が生じます。この反応を中和といいます。中和反応では 酸の元になる水素イオンと 塩基の 元になる 水酸化物イオンが プラスとマイナスの静電気的な結合により、中性の水になることで、互いの 酸性、アルカリ性を消し去ります。お互いの酸、塩 基の量が等しければ、完全な 中性になりますし、一方が多ければ、そちらの方の性質が弱まった状態ですが、残ります。 |
4 PH(水素イオン指数) PHとは 水溶液の酸性やアルカリ性(塩基性)の度合いを表わすときに用いられるもので、pH7が中性であり、酸性度、アルカリ性度が 互いに拮抗した状 態を示します。この 中性のpH7より 数値が下がると 酸性になり、上がると、アルカリ性(塩基性)ということになります。 |
有機化合物 |
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有機化合物とは 1 一般に炭素の化合物を有機化合物といいます 2 有機化合物は炭素原子の結合の仕方により鎖式(さしき)化合物と環式(かんしき)化合物に分類されます。 |
有機化合物の特性 1 有機化合物の主成分元素は C(炭素)とH(水素)O(酸素)N(窒素)です 2 一般に燃えやすい性質があり、燃焼すると 二酸化炭素と水が発生し、その他の元素が含まれているか 炭素Cの量が多い場合には その他の酸化物あるいは 一酸化炭素CO2、黒鉛Cなどが発生します。 3 一般に水に溶けにくいものが大部分を占めますが、水になじみにくい一方で、有機溶媒(アルコール、エーテルなど)にはよく溶けます。 4 一般に静電気が発生しやすいといわれます。(電気の不良導体であるため、摩擦が生じるためといわれます) |